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R6年 水戸市胃がん検診が始まりました

今年も6月から水戸市で毎年実施されている胃がん検診が始まりました。ご自宅に検診のハガキが届いている方も多いかと思いますが、忙しくて受けられない、受けるかどうか迷っているという方もいらっしゃるかと思います。今回はこの胃がん検診についてご案内いたします。

1. 胃がんについて
かつては日本人のがんによる死亡数の第1位であった胃がんですが、早期発見やピロリ菌の除菌、治療法の進歩により現在では肺がん、大腸がん、膵がんに次ぐ第4位となり、予後は改善しています【1】。特に早期発見した場合の生存率は高く、ステージIで発見された場合の5年生存率は92.8%となっています【2】。早期に発見できれば、完治が望めるようになってきています。

2. 胃がん検診について
早期発見に重要なのが胃がん検診ですが、日本医師会のがん検診データによると、その受診率は決して高くないのが現状です。40~69歳で見ると、男性が46.4%、女性は35.6%と、検診対象者の半数以上が未受診という状況です【3】。

水戸市の胃がん検診では、51歳以上の方から胃内視鏡(胃カメラ)または胃部X線検査(バリウム検査)が対象となります。

胃カメラ検査かバリウム検査のどちらが良いかについては、それぞれに長所と短所がありますが、検査の精度という観点からは胃カメラをおすすめします。バリウム検査はX線を通して白黒の影絵のような画像で判断するため、凹凸のない病変(早期癌)などは診断が難しい一方、胃カメラ検査は直接胃の中を観察でき、色の変化やわずかな粘膜の隆起、凹みを認識することで病変を見つけることができます。さらに、胃カメラ検査では病変を見つけた場合、その病変の組織を一部採取(生検)して病理診断(顕微鏡診断)によって“がん”かどうかの確定診断が可能です。

一方で、負担という面ではバリウム検査はバスによる巡回検診が可能で手軽さや費用面で胃カメラ検査より優れています。特に患者さんにとっては、胃カメラ検査は苦痛が強いと感じられる方も多いでしょう。しかし、最近では検査の際に鎮静剤(眠くなる薬剤)を用いて、眠っている・ウトウトしている状態で検査を受けることも可能です。また、カメラ自体の性能も向上しており、経鼻内視鏡(より細いカメラ)を用いることで、苦痛を抑えながらも精度の高い検査が行えます。

当院においても、苦痛をなるべく抑えた精度の高い胃カメラ検査が可能です。

・フジフィルム社の最新型高精度の内視鏡を使用
・検査施行医はがん専門施設で豊富な経験を有する医師が担当
・鎮静剤を用いての苦痛を抑えた検査

当院の胃カメラ検査

胃がん検診を受けるかどうか迷っている、胃カメラ検査が苦しくて辛い、といった理由で検診をためらっている方もいらっしゃるかと思いますが、胃がんは早期発見することで治癒が望める病気です。ぜひ当院で胃カメラを受けていただければと思います。

参考文献
1.厚生労働省 令和5年(2023)人口動態統計
2.国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」
3.日本医師会 日本のがん検診データ